日本映画界を取りまく現状!

0.11%?
『パラサイト半地下の家族』素晴らしい。

アジア初!「これで日本映画もチャンスがある?」と
思った人も多いだろう。もちろんその通りだ。
しかしこの機会に日本の映画の現状を
考えることも重要だと思う。

いつも本質的な視点を持って発信している
深田晃司監督、今回もチクリ(東京新聞)。

「映画製作だけでなく、配給や宣伝など多額の助成金を
支給するなど韓国には海外での興行を見据えた手厚いサポートがある。
そこが内向きな日本映画界との違いであり、
韓国映画の粘り強さや面白さにつながっている」


深田監督の何年か前(2015年くらい)の
発言にも考えさせられた。
覚えている範囲なので細かな数字はご容赦願いたい。

フランスでは国が映画にかける予算がおよそ800億円
韓国では400億円。
日本は文化庁が20億円とクールジャパン
(使い道がよくわからねい)という枠で
合わせて多く見積もって40億円くらいだそうだ。

単純計算はできないので国家予算の中で
文化にかける予算の比率で比べると。
フランス予算  4640億円   0.87%
韓国予算    2653億円   0.99%
日本予算    1038億円   0.11%
残念ながらいかに日本が映画も含む文化に
お金をかけていないのかがわかる。


さらにフランスはいわゆるチケット税を10%設定し
そのお金が映画界に還元される仕組みができている。
韓国もパーセンテージは違うが同じような仕組みがあるらしい。

これによって、わかりやすく言えば
売れるであろう映画だけではなく
商業ベースに乗らないであろう作品や
インディーズなど様々な作品に助成が可能になる。

日本の映画界はどうだろう。
原作ありき、有名俳優ありきの
売れるであろう作品だけが作られ流される。
結果大きな会社が独り勝ちし映画格差が広がっている。
シネコンなど見たい映画はほとんどない(個人的感想)、
(もちろんミニシアターなどで上映される良い作品はたくさん作られている)。

『パラサイト』のもう一つの話題は
は労働環境を守り決して徹夜などしない、
状況で作ったという。

日本の劇映画界のことは詳しく知らないが
決して良い話は聞かない。

私の主戦場である
ドキュメンタリー映画の場合はどうだろう。
製作費があってスタートすることはほぼなく、
食えないのは当たり前。
スタッフのギャラはほんの少し、あるいはノーギャラ、
ある意味人生をかけるつもりで製作に挑まなくてはならない。
心ある方達の支援でなんとか成り立っている。

出来上がってからも上映してもらえる映画館は少なく
そもそも分け前がないので自主配給、宣伝費 ゼロで宣伝する。

自主上映にいたっては時々耳を疑うことを言われる。
「ドキュメンタリーでは入場料を取れないので
上映費をまけて欲しい」などは良い方、
「そもそもお金取るんですか?」と言われることも。
実に悲しい現状である。

結果、力があっても家族がいたりすると
とてもじゃないがドキュメンタリー映画を
作ろうなんて人は出てこないし、
一作品は作れても続かない。

もちろんその中でも踏ん張っている人たちはいるし
良い作品も生まれている。
しかし全体としては確実に
作品が劣化していることは否めないだろう。
特に技術的なことは後回しにされる。
社会的問題をテーマにしたものが多く、
批判しにくいと言うことも
その一因になっているように思う。

2019年映画の興行収入は
これまで最高の2611億円だそうだ。
10%のチケット税を導入して独自の仕組みを作れば
年間260億円の予算を映画界に還元できる。


メイキャップ&ヘアスタイリング賞の
カズ・ヒロさんが受賞後質問にこう答えた。

Q:「日本の経験が受賞に生きたか?」
「こう言うのは申し訳ないが
私は日本を去って米国人になった」
「(日本の)文化を嫌いになってしまったし、
(日本で)夢を叶えるのは難しいからだ。
それで(今は)ここに住んでいるごめんなさい」

国の文化予算、仕組み、
映画界全体の仕組みを考えて変えていかなければ
残念ながら日本からアカデミー賞受賞作品が
出るとは思えない。

ことわっておきたいが単純に韓国やフランスが良く
日本が悪いということではない。(いや日本は悪いなぁ)

いつの時代も権力(国)と対峙しながらクリエイティブなものが生まれてきた。
実際にポンジュノ監督も過去の政権においては
ブラックリストにのっていたそうだ。
映画で戦い続けていたのだ。

私自身、映画が好きだし
ドキュメンタリーの可能性を感じている。
だからこそ日本映画界全体のことも考えていきたい。
なんて少し思う。


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